皆さん、日本茶はお好きですか?私は茶産地に嫁に来て、お茶を淹れる恐怖を味わいました。美味しく淹れられないと、「なんだ、このお茶は。お茶屋が遠いのか!」などと、ストレートに文句が出るからです・・・。お茶が怖かったです。
私が日本茶を学んだ理由
そんな私が、お茶を美味しく淹れるため?お茶とはなんだ?そんなに偉いんか?という疑問から、お茶屋に勤めつつ日本茶インストラクターの資格を取るほど勉強しました。
私はコーヒーも好きなのですが、コーヒーよりも日本茶の優秀なところは100%「国産」!!というところです。日本茶ですから・・・。つまり、円安にも負けない価格の優等生です。もちろん、生産者さんにとっては機械の燃料代や肥料・資材の高騰など悩みは尽きないかと思いますが、今のところ目立った価格改定はされていないようです。これを機会に、日本茶を愛してみませんか?選び方を知って美味しく淹れることができれば、毎日の暮らしが豊かになることは間違いありません。
そもそも日本茶とは?
日本茶とは、広い意味で言うならば日本で生産されたお茶のことです。そこには野草茶や麦茶も入るかもしれません。狭い意味で言えば、代表的なのは緑茶、ほうじ茶、和紅茶などといったものでしょう。
ここでは緑茶、ほうじ茶、和紅茶、和烏龍茶までを日本茶とさせて頂こうと思います。これらのお茶は、カメリアシネンシスという椿科のお茶の木から摘み取られた茶葉を使用しているという共通点があるからです。同じ茶葉を用いても、製法によって緑茶になったり、紅茶・烏龍茶になったりするのです。
新茶を楽しむ
緑茶の楽しみ方として、新茶を選ぶという方法があります。新茶とは、冬の間に蓄えた栄養を、春になって芽吹かせた新芽だけを摘み取ったお茶で、4月の後半から6月までしか流通しません。期間限定のお茶なのです。この時期の新茶は香りがよく、渋みが少ないので少々濃く淹れることをおすすめします。摘菜時期の早いものからお値段は高くなります。
新茶の美味しい淹れ方
道具:急須、湯呑み2個
- 沸騰したお湯を湯冷しして80度程度のお湯 150ccほど
- 茶葉 6g
- 急須に沸騰した湯を注ぎ、その後、湯呑み2個に注ぎ分けて湯を冷まします(湯冷しと湯の分量を測る作業です)。湯呑みの8分目に収まらなかった湯は別に取り分けておきましょう。
- 温まった急須に茶葉を入れ、湯呑み2個で冷ました湯を急須に注ぎます。
- 1分ほど待ち、2個の湯呑みに少しずつ交代交代に注ぎます。
- 同じ分量、同じ色に注ぎ分けられたら完成!
緑茶の種類(普通煎茶か深蒸し茶か玉緑茶かなど)やお好みで、茶葉の分量や湯の抽出時間を変えてくださって大丈夫です。お茶屋さんによって、その店の一番美味しい淹れ方があるはずですから、お店の人に聞くのも楽しいと思いますよ!
新茶と一番茶の違いとは?
ところで6月を過ぎても「一番茶使用」とうたって販売しているお茶を見かけたことはありませんか?
一番茶とは、春に芽吹いた新芽を摘み取った茶葉のことです。つまり6月までに販売すれば新茶で、それ以降に販売したものは通常のお茶という訳です。消費者にとっては、え?どういうこと?と思われますよね😅少し、お茶の流通についてお話しします。お茶の生産には、農家さんとお茶屋さんの関係を知っておくとわかりやすいかと思います。
農家さんの仕事
- お茶を摘み、生葉を蒸して乾燥加工させた「荒茶」を作る。
- 4月後半から5月前半に摘採するのが一番茶、6月〜7月くらいに摘採するのが二番茶、その後秋冬に摘み取り荒茶にしたものを秋冬番茶という所もあります。
- つまり農家さんは茶葉を摘み取るだけでなく、乾燥加工して原料を作るまでが仕事なのです。お茶畑の真ん中に大きなお茶工場があるのはそのためです。
- 農家さん自身で荒茶を仕上げまでされる生産者さんもいらっしゃいます。その場合、農家さんの周辺の茶葉のみで作られているため、シングルオリジンということになります。
お茶屋さんの仕事
- 複数の農家さんから「荒茶」を仕入れ、さらに火入れをしたりブレンドをして店の味を作り出す。
- 荒茶は仕入れたら一度に全てを火入れしてしまうのではなく、冷蔵庫に保管して、商品在庫がなくなったり、注文が入ったり、季節が変わったりして、その都度、その季節にあった火入れをするのです。
- つまり新茶の季節(4月終盤〜6月)に仕上げ火入れしたものを「新茶」と呼ぶと言っても間違えではありません。この時期は新茶の香りを感じてもらうため、茶師たちは火入れを若干弱めにするのだそうです。(茶師によって加減がありますので、一律ではありません)
まとめ
ここまで見てきたように、日本茶と言ってもご存知ないこともたくさんあるのではないかと思います。
- 日本茶は椿科の植物から摘み取られた日本の茶葉を乾燥して作られたもの。
- 加工の仕方によって様々な茶葉に生まれ変わること。
- 新茶は4月後半〜6月にしか流通されないこと
- 新茶の美味しい淹れ方
- 新茶と一番茶の違い、それにまつわる農家さんとお茶屋さんの役割について
以上をお伝えしました。実は緑茶の中でも、産地によって品種や製法は様々です。昔に比べ飲み物が多種多様になってきていることもあり、日本茶の生産量は減少にありますが、今はその分こだわりを持って生産している農家さんやお茶屋さんも多くいらっしゃいます。
素敵なお茶カフェも増えてきましたよね!私も急須でじっくり淹れていただいた日本茶や和紅茶が大好きです。このブログで気になったことがありましたら、ぜひお茶屋さんへ足を運びお茶の話をしていただきたいと思います。
この記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント